スピルリナに限らず、サプリメントを買う前に「ちゃんとした作り方をしているのか」を確かめたいと思ったことはないでしょうか。ところが商品ページを見ても、品質管理について書かれている量はお店ごとにまちまちで、何をもって比べればよいのかが分かりにくいのが実情です。
この記事では、健康食品の製造にかかわる制度を「法令で決まっている部分」と「任意の認証」に整理したうえで、購入前にパッケージや商品ページの表示欄で確認できる項目を5つにまとめます。効果・効能の話は扱いません。あくまで、表示を読むための地図です。
品質管理の情報は2つの層に分かれている
サプリの品質管理をめぐる言葉は、大きく次の2層に分かれます。ここを混ぜて読むと「認証がたくさんあってよく分からない」という状態になります。
- 法令で事業者に義務づけられているもの — 守っていることが前提で、通常はパッケージに大きく書かれません
- 民間団体などによる任意の認証 — 取得は事業者の判断であり、取得していればマークなどで表示されることがあります
「表示されていない=やっていない」とは限らない、というのがこの2層構造のポイントです。以下、代表的な3つを順に見ていきます。
HACCP:2021年6月から原則すべての食品等事業者に義務
HACCP(ハサップ)は、原材料の受け入れから製造・包装・出荷までの各工程で危害要因を分析し、重要な管理点を決めて継続的に監視する衛生管理の手法です。
日本では改正食品衛生法の完全施行により、2021年6月1日から、原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務づけられています。つまり、国内で流通している食品は、規模に応じた方法でこれに取り組んでいることが前提になります。
義務である以上、これは「他社との差」にはなりにくい項目です。パッケージにHACCPの記載がないことをもって管理が甘いと判断する材料にはなりません。
GMP:機能性表示食品では2026年9月から義務、一般の健康食品では任意
GMP(Good Manufacturing Practice)は「適正製造規範」と訳され、原料の入荷から最終製品の出荷までの全工程で、適切な製造管理と品質管理を求めるものです。設備などのハード面と、手順書や記録といったソフト面の両方が対象になります。
ここは制度が動いている部分なので、区分によって扱いが違います。
- 機能性表示食品(錠剤、カプセル剤、粉末、液剤といったサプリメント形状で、天然抽出物や化学合成品を原材料とするもの)については、国が定めたGMP告示の基準を守って製造することが求められ、2026年9月1日から完全施行となりました。
- 一般の健康食品(機能性表示食品として届け出ていないもの)については、GMPは法令上の義務ではなく、業界団体による任意の認定制度として運用されています。健康食品GMPの認定を行っている団体としては、公益財団法人日本健康・栄養食品協会と日本健康食品規格協会があります。
任意の認定には、工場を対象とした認定と、製品ごとに申請して表示する「GMP認定工場製造製品マーク」があります。後者は製品単位の承認申請が必要で、認定期間は3年、3年ごとの更新申請が必要とされています。工場が認定されていることと、その製品にマークが表示されていることは別の手続きだ、という点は押さえておくとよいでしょう。
ISO 22000/FSSC 22000:任意の食品安全マネジメント規格
ISO 22000は、HACCPの考え方を組み込んだ食品安全マネジメントシステムの国際規格です。FSSC 22000はこれをベースにした認証スキームで、いずれも取得は任意です。
商品ページで「国際的な食品安全管理の基準による認定を受けた工場で製造」といった書き方を見かけたときは、どの規格のどの認証を指しているのかを確認すると、比較の精度が上がります。
認証は「安全の保証」でも「優劣の証明」でもない
ここが一番の注意点です。認証は、決められた基準に沿った管理の仕組みが確認されたことを示すものであって、その商品が安全であること、あるいは品質が他の商品より優れていることを示すものではありません。認証の有無は比較の材料のひとつにすぎず、それだけで結論を出せる指標ではない、という前提で読むのが適切です。
なお、認証の有無とは別の話として、パッケージや商品ページの「摂取上の注意」「ご注意」の欄は購入前に必ず確認し、気になる点があれば医師または薬剤師にご相談ください。
購入前に表示欄で確認できる5項目
制度の話を踏まえたうえで、実際に商品ページやパッケージの表示欄で確認できるのは次の5つです。認証マークがなくても、この5項目はたいてい書かれています。
- 商品区分 — 「健康食品」「機能性表示食品」「特定保健用食品」など。前節のとおり、区分によってGMPの扱いが変わります
- 原材料 — 何が入っているか。添加物や賦形剤の有無はここで分かります
- 原産国 — どこで作られたか
- 製造元 — どの会社が製造しているか
- 輸入販売元/販売者・広告文責 — 国内で誰が責任を持っているか。問い合わせ先がたどれるか
とくに4と5は見落とされがちですが、製造と販売の責任の所在がたどれるかどうかは、購入前に確認しやすい客観的な材料です。
実際の表示例
参考までに、当店の「スピルリナ100% 無添加ピュアスピルリナ」の商品ページに掲載している表示欄から、該当する項目をそのまま引用します(引用元:スピルリナ100% 無添加ピュアスピルリナ)。
品 名 スピルリナ食品
名 称 Pure(ピュア) スピルリナ100%
原材料 スピルリナ原末
原産国 タイ
商品区分 健康食品
製造元 Green Diamond CO.,LTD.(タイ)
輸入販売元 株式会社ナチュラルハーブ
このほか、商品ページには「目安摂取量」と「ご注意」の項目も掲載しています。認証マークの有無については、各商品のパッケージおよび商品ページの表示欄でご確認ください。
まとめ
- HACCPに沿った衛生管理は2021年6月から原則すべての食品等事業者に義務。記載がないことは判断材料にならない
- GMPは、機能性表示食品では2026年9月1日から基準の遵守が義務。一般の健康食品では任意の認定制度
- ISO 22000/FSSC 22000は任意の食品安全マネジメント規格
- 認証は安全性や優劣を保証するものではない
- 表示欄では「商品区分/原材料/原産国/製造元/輸入販売元・広告文責」の5項目が購入前に確認できる
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参考
- 厚生労働省/改正食品衛生法によるHACCPに沿った衛生管理の制度化(2021年6月1日完全施行)
- 消費者庁/機能性表示食品制度およびGMP告示(2026年9月1日完全施行)
- 公益財団法人日本健康・栄養食品協会/健康食品GMPの概要